「そこでだ」 紘哉は羽兎を見て言った。 「今なら警察の目が届かない。 だから、一回事務所に戻って捜査に必要なものを持ってくるといいだろう」 「紘哉さんはどうするの?」 「どうするの何も、コイツをどうにかしなきゃいけないだろ」 彼は鬱陶しそうな目で地面を見る。 その背中には、目を閉じた早裕がいた。 話によると、早裕は取り調べの最中にぶっ倒れたらしい。 その為、紘哉が早裕を背負って帰るはめになった。