――そして今に至る。 まさか東京の郊外にこんな屋敷があるとは思ってもなかった二人は、少し圧倒された。 今度は屋敷のチャイムを鳴らす。 すると、女の人がドアを開けた。 「早裕さん!」 羽兎が声をあげた。 早裕はこの間とは違い、髪を左下で一つに縛っている。 「いらっしゃい。ワトコちゃん、紘哉くん」 ニコッと笑う早裕。 一週間ぶりなのに、なぜかずっと会っていないような気がした。