思わず紘哉は恵一を睨み付ける。 恵一はびっくりしたようにのけ反った。 「そんな目で見るなよ!」 「分かってるのか?窃盗罪と殺人罪、遥かに殺人罪の方が罪が重いんだぞ!?」 「刑事舐めんなコラァ!!んな事は百も承知だ!! ……でもよ、普通に考えてみろ。 怪盗仮面からの予告状。そこで起きた殺人事件。 新たに犯人をあぶり出すより、押し付けた方が事後処理とか楽なんだよ」 紘哉は明後日の方向を向いた。 やり場のない怒りが込み上げてくる。