その頃、紘哉は中庭の焼却炉の前にいた。 「果たして残っているのだろうか……」 夕食後、紘哉は優につれられ、玄関前で防犯カメラの映像を確認した。 しかし、何一つとして怪しい点はなかった。 8時05分にハンドバッグをもって門をくぐる優が写っていた。 紘哉は優に礼を言い、その場を立ち去った。 そして今に至る。 ロックスの鳴き声を聞きながら、彼はポケットから一枚の紙切れを取り出した。