あからさまに嫌な顔をする紘哉。
羽兎と恵一は顔を見合わせ、ニヤリと笑う。
そしてお互い顔を近づけ、口に手を当てて内緒話を始めた。

「紘哉さんてぇ~、怒りっぽいんですかぁ~?」

「そうなんだよな~。アイツ、高校の時から怒りっぽかったんだよなぁ」

「てめぇら……ここまで丸聞こえだぞ!余計なお世話だ!」

紘哉は思いっきりそっぽを向く。

「あ、怒った」

「怒りましたね」

二人は悪びれる様子もなく、楽しそうに言う。