「すみません。もう少し詳しく話を伺ってもいいですか?」

自然と事情を聞きたくなってしまうのが悲しい探偵のサガ。

優は紘哉の質問にも嫌な顔一つせずに答えた。

「アリバイ確認ですね。
残念ながらありません。
自分の部屋に一人でいました。寝ちゃったんです」

「じゃあ、事件の事は……」

「今朝になるまで知りませんでした。
まさかお母さんが殺されちゃうなんて……」

優は悲しそうに目を伏せた。