短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~


「ん、一週間くらいかな」
雪音はタオルがもう乾いたかどうかを気にしている。

修道女が階段の踊り場に住んでいるのに、一週間の間誰もそれを気に留めなかったのか。さすが都会だ。

「こんな固いところに座ってたら、お尻が痛いだろ」
どうでもいい所に突っ込みをいれる辺り、まだ恵一のシナプスは沈静していないようだ。

恵一は自らを落ち着かせるように下を向き、何回か深呼吸した。

「・・・一体何があった」
ようやく、外見上はいつもの落ち着きを取り繕うことができた。