短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~


その週はそのまま、いつもと同じように時間が流れた。
ネタ合わせにローカルテレビの収録、地方公演用のポスター作成。

ライブがあるのは週末だ。
私と聡介はいつもどおりステージの裾で、自分たちの出番を待っている。

「それでは次は、木村肉まん・あんまんのお二人。今年で結成10周年を迎えた二人、息の合った夫婦漫才をお楽しみください!」

やたらでかい蝶ネクタイを付けた司会の男が、私たちの名を呼んだ。

小走りにステージに出て行くと、拍手とスポットライトに包まれる。
この緊張感、高揚感。
出て行くたびに、自分の居場所はここにあると思えた。