短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~


「祥子さん、気づいてたんですか?」

恵美は私の嘘を真に受けて、真面目に驚いている。
このときばかりは、恵美がトロい女で良かったと思った。

聡介は、私の嘘に気づいていたかもしれない。
お願いだから、騙されといて。

いや、嘘じゃないわ。
気づいとったよ、ホンマに。
30秒くらい前に。

私は、心の中に辛うじてカスのように残った、相方というプライドを保つのに、必死だった。