短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~


なぁ、恵美。
ホントは、飲み物の注文はあんたの仕事やで?

あんた、なんで芸人のマネージャーになろうと思ったん?あんたみたいなトロい子は、床の間で頭の上にみかん乗せて、正月ににこにこ~っとしてたらいいんよ。そのほうが絶対社会の役に立つわ。

歯に衣着せぬ私の突っ込みに、恵美は自分のことを言われているにも関わらずにこにこ~っと笑った。

「私、面白い人大好きなんです~」

はっきり言って、恵美は仕事はできない。
でも、憎めない子だった。