短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~


ドアが閉まる金属音が、部屋に響いた。
さっきまで恵一がいた玄関に見えているのは、無機質な鉄製のドア。

どうしてだろう。
今別れたばかりなのに、もう恵一にぃに会いたいと思っている自分がいた。
言いようのない切なさを胸に感じて、雪音は胸に手を当てる。

あぁ、こんなだから自分は、恵一にぃから子ども扱いされるんだ。

もうちょっと強くならないと、と思う頭とは裏腹に、心からは涙があふれてくる。