甘い旋律で狂わせて

あたしは、自分を取り繕って生きていたのだろうか。



“ここ”に響いている鼓動が、あの人のものだと知った瞬間に

自分の感情の表面を覆うものが、すべて崩れ去っていったような気がした。




思わず、その胸に耳を押し当てて

あの人の名を呼んでしまったのは



もっと感じたいと

あの人をもっと感じたいと



そう願っている自分がいるからなのだろうか。



今でもあの人を、心の底で恋い慕っているからなのだろうか。



それが、本当の自分だからなのだろうか……。