あんなに小さかった航大も、今じゃ私が見上げなければ目もあわないくらいに成長した。



「航大3年でしょ?進路は決まったの?」



「あぁ。親父のとこで頑張るつもり。」



航大の家は割りと有名なケーキ屋さんで、お父さんはパティシエだ。



「へぇぇ、そのでっかい手であの繊細なケーキを作るの?」


「おぅ!俺ケーキ大好きだし!」



からかってやろうと思って言ったことも、普通に返されてしまった。


まぁここが航大の可愛いとこなんだけど。
昔っから真っ直ぐで純粋で曲がったことが大嫌いで。


そういや、

【俺、風子を嫁にする!】

なんて言ってたっけ。