風子仕様の恋模様。


外が少しずつ暗くなりはじめた。
このあたりから帰宅組と残業組に別れはじめる。いつもなら私もそそくさと帰り支度をするが、残念ながら目の前の書類の束がそれを許してくれそうにない。


「はぁぁぁ。燃やしてしまいたい。」


恨めし気に呟いた一言だったが、隣に座る風間がギョッとした顔でこちらを見る。


「風…おまえ目がすわってて冗談に聞こえない。」


「だってぇ……

チーフってば私一人にこの束渡すんだもん。

せめて分散してほしかった。」


ガクンと項垂れた姿を見て、ケラケラと笑いながら背中にバシンと気合いをいれられた。