風子仕様の恋模様。


颯爽と秘書課へと進んで行く二人の背中を見送ると茜へ向き直る。


「ねぇ、茜は気になんないの?」


さっきからこの話題には食いついてこない茜。

おかしい、一番好きそうなのに。


するとさっきの彩子同様ニカッと笑う茜。


「私もう知ってるもの。」


「えぇぇぇ!
なんで?いつの間にっ?!」


「ランチのメールした時に彩子が教えてくれた。」


数十分後には会うのにわざわざメールで報告なんて、どんだけ人に話したかったのよ。

いや、今はそんなことどうでもいい!


「で、なんなの?」



「ふふ、じきにわかることだから内緒。」


と派手なネイルを施した人差し指を唇へと添える。


ムッカァァ。


「茜、いい年してそんなことしても全然可愛くないから!」


「なんですってぇ?!

この口が言うかぁ!!」


ほっぺたを左右に引っ張られて揺さぶられる。

ネ、ネイルが刺さるぅぅ!!