風子仕様の恋模様。


う~ん、確かに浮いた話はないけどまさかチーフに限って……

いやでもそのまさかよね。

なんて一人頭の中でチーフの疑惑について考えこんでいると


「小日向、俺の顔に何かついてるか?」


と指摘され慌てて首を左右に振る。

その慌てっぷりの不自然さから、明らかに
【おまえしょうもないこと考えてただろ。】
と言いたげなチーフの視線が痛い。


入社した時からずっと面倒をみてくれているチーフ。

仕事に厳しくよく叱られたりもしたが、筋の通った言動と優しさとを持ち合わせているチーフを、私は心の底から信頼している。