「ったく、自分だって万年彼女なしの独身貴族のくせに、よく人のこと言えたもんだわ。」
ギロリと風間を睨むも、茜はすぐに自分のネイルに傷がないかチェックする。
「俺だって結婚できねー訳じゃねぇ。しねーんだ。」
「「どうだか。」」
私と茜の声がピッタリと揃い哀れみの視線を送った。
まぁ、なんだかんだ昔から仲の良い三人だ。
気づけば入口に立ったまま話込んでいたらしく、背後に気配を感じる。
「楽しいお喋りは終わったか?」
聞きなれた声に、バッ!!三人で振り返れば仁王立ちの人物が。
「「「チーフ!!」」」
これまた偶然にも声が揃う。
