それに気づいていない風間は更にお喋りを続ける。
「おまえらスッピンに自信ないのか?
んなだから結婚できねーんだよ。」
ハハ…馬鹿なやつめ。
「風間ぁぁ。
私達はね、別にスッピンに自信がない訳じゃあないのよ。」
微笑みながら風間の肩にポンッと手を置く茜。
笑っているのは表面だけで、よく見れば口元はひきつっている。
「……あ、茜…。」
その雰囲気にようやく気づいた風間。
ゆっくりと距離をとるため後ずさろうとするが、茜がそうはさせない。
「茜さんでしょ。
それとね、結婚できないんじゃないのよ、しないの。
わかったかしら?」
「痛痛痛痛!
ちょっ!おまえのネイルが肩に食い込む!」
ネイルの言葉にピクッと反応した茜は、渋々ながら風間から手を離した。
