「………分かりません」 素直に負けを認め、また机とこんにちはを交わそうとしたが 「そうですか?簡単な問題なんですけど。では、沢村さんは放課後補習ということで」 「………はっ!?」 驚きのあまり体を椅子から浮かしていた。 そんな私を面白そうに眼を細め、鬼数学教師は 「当り前でしょう」 「いかねーし!」 「だったら成績は0ですね」 「そんなもの、覚悟の上だっつーの!」 「僕が来たからにはそうはさせません。数学だけでも頑張ってもらいますよ?」 召還した悪魔ならこういう風に笑うんだろう。