『萌乃、大丈夫だから。今行くから』


電話越しでも分かる優しい声
…それだけで、不安が薄れる


「ん。待ってる」

『うん』


そう言って通話は切れた


「朔ちゃん達が迎えに来てくれるって」

「そっか…」


私が言うと、七菜がやっと安心した顔を見せた


「萌乃は強いね?私なんて怖くて泣いちゃったのに」

「私だって怖かったよ?」


初めて知った
朔ちゃん以外の男の人の感触

気持ち悪くて、怖くて、不愉快だった


「…朔ちゃんに触りたい」

「……萌乃、それはちょっと問題発言だよ」


そして、私達が乗るゴンドラがゆっくりと地上に降りていった