「え?鷹司さん?」 大理石が埋めつくす廊下で一人の女子生徒が言った。 「鷹司さんってあの鷹司さん?」 「だよね」 隣の女子生徒も頷いた。 「成績優秀、スポーツ万能、人間性にも問題はないわよ?」 「つまり言うと………」 聞かれた問いに、女子生徒は即答した。 「完璧なお嬢様ってことね!」 「憧れるわ~」 女子生徒はきゃっきゃとはしゃいだ。 その様子を、問いを発した生徒は深く考えながら見つめた。