「レン。今日の帰りは少々遅くなるわ」 「わかった。帰りは電話しろ」 恋人のようなやり取りを交わし、暴れながら先をゆく井筒と椿野の後を追った。 鷹司もそれに続こうとしたが、ピタリと立ち止った。桜の花びらが彼女の周りを彩っていた。 「行ってくるねカイト」 手を大きく頭の上で振り、彼女は喜色満面で後を追っていった。 カイトもつられ笑い顔になり 「行ってらっしゃいませお嬢様!」 と大きく手を振り返した。 *END*