「………い」 「あん?」 ばっと熟れたトマトのような顔をあげ、由姫華はレンを見据えた。 「私と一緒にいたいなら煙草はやめなさい!」 そのあまりの剣幕に彼ほどの男がひるんだ。 鋭くナイフのような声の張りに不思議、と首をひねっているとその原因にたどりついた。 顔が赤いのは泣いただけではない。恋する乙女のような表情だった。 「………はいはい」 レンは煙草のケースを取り出し、由姫華の前ですべてのたばこを引きちぎった。 黒い中身がこぼれ、清楚な絨毯を汚したが由姫華は笑顔だった。