落とした女子は少し歩いてから止まった。 たった500円程度の小銭でスカートを地につけるか悩んでいるようだ。 意を決したように振り返り、しゃがみこんで探す。 「あれ………?」 だがない。 困ったように椿野と鷹司の椅子の下や机の下を探す。 「あっ!もっ申し訳ありません!」 遺失物を夢中に探していた女子はすぐ、顔をあげ深々と自分の非礼を詫びた。