そういうと、男は帰っていってしまった。 『変な人…あの人もヤクザとかなのかな……?』 あたしは呟くと、遠くからサイレンの音が聞こえた。 『華…!』 『仁……何でここに…?』 『堺さんのとこに連絡が来たみたいで、堺さんが病院だからって。何考えてんだよ!!体調もよくないってのに!』 仁に強く抱きしめられた。 『仁……ありがと…ご、ごめん。』 仁が来なかったら…今日のあたしはどうなってただろう……。