『昨日14時頃、また起きてしまいました』

 テレビに移っている女性アナウンサーが、深刻そうな顔をして言った。

『事件の始まりは、丁度一週間前に起きた行方不明事件でした。今日までに6人もの人間が犠牲となりました』

『しかしまだ行方不明者達の居場所の手掛かりは一切掴めておりません。これはどういう事なのでしょうか、加藤さん?』

 アナウンサーが、隣に座っている男性に話を振った。

『そうですねぇ、一部の市民からは何らかの呪いや祟りだと言う噂もありますけどね』

『そのようですね』

『目撃者の話によると、被害者は誘拐等ではなく――その場から“消えた”と言う事です。しかし本当にそのような事があり得るのでしょうかねぇ?』

 男性は手元の紙を捲りながら言った。

『目撃者はひどく混乱していたようですしね……』

『一番の問題は、事件の目撃者が次の行方不明者としまう事です。こんな事は、前代未聞ですよ!』

 男性は、迫力のある声で言った。