「爽!!」





さっきまで抱きしめていた体も透け始めていた





「爽、俺頑張ってみるよ!!もう一度、コンクール出て賞を撮る、だから、爽も必ずかえって来てよ!!約束だかんな!!」





爽は何も言わずただ、コクンと首を縦に振った





目も開けられないほどの風が止んだと同時に、爽の姿がなかった。ただ、さっきと変わらぬ美しい夕日が、俺を照らしていた





さっきまでのもやもやとした、複雑な思いは無くなっていた





「爽、行くよ!!」





ポケットの中に小さくたたまれた1枚の紙を握り、走った





目指す場所はただ一つ…





−バァン−





「どうしたんだ?そんなに息を切らして…」





「社長、俺、これに参加します!!」