「ほら、またっ」 「へっ?」 俺は何だか分からなかった 「敦は嘘をつくと笑うんだ。それも、苦しそうな笑い。あの時だって、お前笑ってたろ…」 あの時… 俺が爽を遠ざけようとした日 「あたしはそんな顔の敦は嫌いだ!!」 爽の顔に涙が滲む また、俺が泣かせてしまった 俺は爽の顔に触れようと手を伸ばしたが、その手は爽の手によって遮られた 「爽?」 −ゴォォォ− 次の瞬間、目を開けられないほどの強い風に襲われた