2人の目が点になっていた




だが、俺はかまうことなく続ける。止まらなかったのだ




「写真が怖い。レンズ越しに写る世界が…、爽の笑顔がない世界が怖いんだよ!!俺にはっきりと爽がいない世界を写しているようで、怖いんだよ…」




最後は涙で声が震え、声にならなかった




この思いはどうしたら伝わるんだろう…




しばらくの間、誰も話さずにただ、俺の泣き声だけが響いていた




「俺は、俺は…」




「写真が撮るのが嫌いなのに、その紙を捨てられなかったのはなぜ?」




声の主の方を見る。日村さんは涙で顔が赤く染まっていた




「カメラが嫌いなのに、捨てられなかったのはなぜ?」




日村さんが一本、また一本と俺に近づく




「ねぇ、どうして?敦君?」




日村さんの問いに答えることが出来なかった