「うわぁ、思ったよりも高けぇな…」




遠くで見るより、近くで見るほうがその木の高さが身にしみた




「よし、いくぞ!!」




気合いを入れて木を登る




寒さで手がかじかみ、あまり感覚がイマイチつかめない




「はぁ、くっそ。もう少し、もう少し…」




枝に引っ掛かっているマフラーに手を延ばした




「っ、あ…と少ーしっ。と、ゲット!!」




手には円香のマフラーと、枝で切れたと思われる傷が出来ていた




木を登るのは得意だが、降りるのはそうでもない




落ちないように、一歩一歩慎重に…




ゆっくりと…




「お姉ちゃん、おさるさんみたいだね!!」




えっ!!




−ズドンッ−