「もしかして…彼女さん?」




「違う!残念ながら俺に彼女はいない」




堂々と胸を張っていうもんだから、嘘ではないことは間違いない




「それじゃあ、誰から…」




秀さんが俺たちを真面目な顔で見つめていた




「この花をくれた人もキミたちと同じ哀しみを抱いている」




俺たちと同じ哀しみを持っている人がもう1人?




「はぁ〜。いつか話そうと思っていたんだ。爽の事故のこと…」




「えっ、爽の事故のことって…?あたしのマフラーを追い掛けて…車に…」




「それは円香ちゃんの視点からのこと。本当は違うんだ」




誰もが息を飲んだ




「爽は人を助けようとしたんだ…」




俺たちは秀さんの言葉に声を失った