人を好きになるってこんなに苦しいのか。

今まで俺は何人の女を傷つけてきたのか。

好き、と何度言われても、笑って誤魔化した。

知らないふりをした。

俺も好きと嘘をついた。



こんなに痛くて切なくていらついて、それ以外考えられなくなるなんて思わなかった。



今まで散々人を傷つけた罰なんだ。

俺の初恋が、叶うはずもないのは。



「響」



屋上でボーっとしてると、聞きなれた声がした。廉だ。



「廉がサボりなんて珍しいな」


「お前、呼んでこいって担任に言われたんだよ。ふざけんな」


「それはそれは、ご苦労様です」