「もしかして、お前「言わないで…っ」 俺の声を遮る七尾はさっきの強気を微塵も感じさせないほど、弱々しかった。 「…このこと誰にも言わないで」 「…ああ」 俺はいたたまれなくなってカーディガンの袖口で彼女の目元を拭った。 「え…」 びっくりしていたのは彼女より、俺自身だ。