本当は知りたい、彼の本名。
だけど“この場では本名は語ってはいけない”というこのパーティーのルールを思い出して、


「あ…の…本名も知りたいですが、とりあえず偽名で……。」


とモゴモゴと呟くと、彼はフフッと笑ってこう言った。




「僕の名前はアルフレード。
どうやら椿姫に恋焦がれるオトコの名前のようですね。」





それを聞いた瞬間。
コレは運命の出会いなのだと、単純な私は思い知る。




興奮しながら



「わ、私の名前ヴィオレッタです!!」



と彼に告げると、彼は目をまん丸にして驚いて。




「へ~ぇ、僕の歌姫はあなたでしたか!!
こうしてお知り合いになれたのも、何かの縁ですね。
よろしく、ヴィオレッタ。
今日は一緒に楽しみましょう。」



そう微笑んでアルフレードは私の手をゆっくり取った。