「美味い」 「本当っ?」 よかったぁ、と呟く彼女を見て、俺は後ろに手を遣った。 今しか、ないか。 「……ねぇ」 彼女がこっちへ向いた瞬間に、俺は“準備した物”――花束を差し出す。 「え……?」 「えっと…」 つい吃ってしまう。 ダメだ、いい加減勇気を出さないと。 「………君が、好き…なんだ」 本当は、ずっと言いたくて。 でも、勇気がなくて。 恐る恐る顔を上げると 「ありがとう、狼さん」 そう言って、彼女は頬を染めて微笑んだ。