「良かった、間に合ったみたい」
「何が?」
そう言いつつ、彼女が混ぜている鍋を覗き込んでみた。
「………スープ?」
中のものを見て言うと、彼女は俺に笑顔を向けて大きく頷く。
「そうだよっ。狼さんと食べようと思って」
余りに嬉しそうに言うもんだから、ちょっと出しそうになった手を引っ込める。
「何で俺と?親はどうした」
そう言えばいないなと周りを見ると、彼女は「あぁ」と声を漏らした。
「今日は町に泊まるから、いないの」
だから一緒にどう?と上目遣いで言う彼女の誘いを、断る奴がいるのか。
いや、いないだろう。
というか是非そうしたい。
「まぁ、いいけど」
だけどやっぱり素直になれないのだ。
「やったぁ。じゃあ、もうちょっとだけ待っててね♪」
「あぁ……」
机の前の椅子に座って、飯を作る彼女を眺める。
……何か、いいな。
思わず見惚れていると、急に彼女が振り向いたからビビった。


