校医の眞鍋先生も帰った保健室は静かだった。


そんな中、私の腕の中にいる彼女のすすり泣きだけが部屋にこだましていた。


右腕の傷は幸いにも深くない。


今はあまり動かないが、1~2週間もすればきっと傷も塞がるだろう。


そんなことはさておき、困った状況になった。


どうやって帰らせるべきか…。


考えている内に時は過ぎ、部活動に勤しむ生徒もほとんどが帰路に着いていた。


「先生…」


ようやく泣き止んだ彼女は私の腕の中でゆっくりと顔をあげ、私の顔を見上げた。


その時の彼女の顔は忘れない。


涙に濡れたまだ幼いその顔はとても


綺麗だった。


「責任…とらせて」


そう言って制服のリボンを外し始め、私の左手を押さえる。


そして押し倒されるようにベッドに倒れ込んだ私にそっと


キスをしたのだった。