強い光は昔から嫌いだった。白亜の光が差し込む、だけどそれは決して強い光じゃなくて、俺を優しく導いてくれるような俺の居場所を確認できるくらいの淡い光。

そんな光を放つ彼女が、大好きだった。



『はやくおいでよメル』


『待って《  》』



―――嗚呼、これは夢だ。あの頃、幸せだった頃の幸せな思い出。


メルが笑っている。俺も笑っている。
手を伸ばして君に触りたい、君に言いたいことが、まだたくさんあるんだ。

まって、まって

いくら手を伸ばしたって君に届かない、あそこにいるのは、俺であって、俺じゃない。



『メル』



メル、メル、俺の大切な、たった一人の、




『大好きだよメル』








『わたしも、大好きよ《アル》』





どうして今、君はいない?