それは、永遠に近い刹那。剣が、デリトじいさまに向かって、落ちていく、
足がすくんで動けない、デリトじいさまは、ゆっくりと瞼を閉じて、彼はそのままデリトじいさまに、
『――アル』
―――一瞬、何が起こったのか解らなかった。
ただ、目の前に、目を閉じたデリトじいさまとその胸元に、触れるか触れないかぐらいの至近距離に突きつけられている剣、という状況に、心臓がうるさいくらい騒ぎ始めたのがわかる。
「…デリ、トじい、さま」
呼び掛けに目を開き真っ直ぐに彼を見上げるじいさま。
「…アルフレート」
「――まだ、殺しはしない」
(君の声が、聞こえた気がした)
