この世界には《悪》である魔王率いるモスト達と
《正義》である勇者率いる人間達しかいない。
《悪》と《正義》その二つの概念しか存在しないのだ。
誰が何と言おうと人間は正義だし魔王は悪だった。
昔、私が生まれる前から決まっていたことだし、私だって魔王は悪だと思ってる。
だから、彼の言ったことは解らなかった。
「久しぶりだね、…デリト」
「!」
彼に脅されてデリトじいさまのところへ連れていくと、ベッドの上で明らかに動揺した様子のデリトじいさまと先程よりもより嘲笑と軽蔑を込めた瞳を見た。
「っ、まさか、アル…アルフレートか?」
「―――正解」
アルフレートと呼ばれた彼は私の首から剣を離すと真っ直ぐデリトじいさまの心臓目掛けて降り、下ろした。
