「・・・っ」


漸く辿り着いたその場所…
瑠依の家の前で
紫杏は頬を伝っていた涙を腕で乱暴に拭い
荒くなった息を整えてから

震えるその手で彼のうちの呼び鈴を押した







「そう、貴方が…紫杏さんなの」
「はい。あ、あの…瑠依君は…」

中からでてきた品の良さそうな女性に
自分の名を名乗り、瑠依に会いにきた。と伝えると
瑠依の母親だと思われる女性は
快く紫杏を中へと入れてくれた
瑠依は中に居るから、と小さく微笑んで




案内されたのは
家の一番日当たりのいいところにある部屋
瑠依の母親に促され
恐る恐る扉を開ければ

そこにあったのは





                   彼の写真が飾られた仏壇