「返事、今日きたらしなくちゃな」
にしても、いい逃げは酷い
あたしだって言いたかったのにさ
返事は決まっている
後は、彼がここに来てくれればいい
いつものようにこの教室に―――…
しばらくしてチャイムが鳴り
続々と入ってきたクラスメイト達が席に着く
チャイムと同時に入ってきた担任が
変わらない挨拶を済ませた
けれど、彼の姿はこの教室にはない
休みなのだろうか?
そんな風に彼女が考えたとき
担任の先生が罰の悪そうな顔で言葉を紡ぎ始めた
「知っている人もいると思うが
この夏休みに入って直後…―――」
その言葉を聞き
紫杏はすぐさま止める担任を振りほどき
教室から走り出た