「この一週間、超早く起きて、前と同じ電車に乗ろうとしたんだけど挫折して。

結局、学校の前で待ち伏せ……。待ってる間、すげーじろじろ見られて。

女子校の前で待つのが、あんなに勇気のいることだと思わなかった。

――って、何か必死でカッコ悪いな、俺」


彼はそう言うと、恥ずかしそうに俯いた。


「今ね、手紙に名前書き忘れてよかったかも…って思ったよ」

「……何で?」


彼は顔をあげ、怪訝そうに私の顔を見た。


「そこまで頑張ってもらえるなんて、私、すごい幸せだなあって」

「……俺の苦労も知らないで」