緊張のあまり、すぐにでも逃げ出しそうになる気持ちを必死で抑え、朝の通学電車に乗りこんだ。


三日前から鞄に入れたままの手紙と一緒に。


やっと自分の気持ちを自覚したあの日、私は彼に告白しようと決めた。

私は彼のことを本当に何も知らないので、メールや電話での告白はできない。


だからといって、朝のラッシュに紛れて告白とか、そんな大胆なことをする勇気はなくて。

起こしたときに、さりげなく放課後に会う約束を取り付けるとか、そういった高等テクも、残念ながら持ち合わせてないし。


恋愛初心者だから仕方ないよね。


というわけで、消去法で残った最終手段が手紙だった。