『琴美ちゃん、お腹すかない?』

琴「空くけど…。」

『じゃぁ、食べ行こうか』

琴「おっ…お金はお姉ちゃんが持ってるから…。」


里桜は友達の葉月・莉子と一緒に

どこかへ行ってしまった。

まぁ、僕は一人だったし

丁度いいと言えば、丁度いいけど。


『妹をほっておくなんて、ねぇ…』

琴「琴美は魎ちゃんといてもいいけど…」


そういうと、下を見てしまう。

長い前髪の隙間から、赤い顔が見える。

そんな琴美ちゃんを

不快にも可愛いと思ってしまう自分がいた…。


『よしっ!!

僕が奢ってあげる。行くぞっ!!』

そういうと、半ば強引に公園を出た。


琴美「ほっ ホントにいいんですか?」

『先輩の奢りっ』

琴美「一歳しか違いませんっ!!」

『それでも一様… 先輩だし?』


納得いかないような顔をしていたが

自分の注文を済ませ、

僕に「ありがとうございます」と

優しく微笑んだ。


初めて見た、柔らかい笑顔に…


僕は

胸を


締め付けた…。