「……………!」



そして、悪魔は風のように消えていった








「うっ………」


―ポタッ…ポタッ




「ルイス… 」



ルイスはその場に座りこみ涙を流していた




「俺は…

なにも知らずに……」





「自分を責めないで…

今、本当の事を知れて
よかったじゃない」



私はルイスを抱き締めた


本当はもっとましな言葉をかけてあげたいのに

上手く言葉がみつからない…





「しかし、!

もう、母さまや父さまは いない!!

自分で………―
この手で殺したんだ…」


ルイスは手にぐっと力を込めて言うと地面に拳を叩きつけていた



「ルイス…

それではご両親も辛いわ

ルイスを苦しませないように頑張ったのに自分を責めていては」



段々と流れていく血が見るに見れなくて止めに入る




「…春奈……」


「ん?」


「信じてもいいのだろうか…

俺は母さま、父さまに愛されていたと…」







「ええ」


確信なんてなかった…

でも、あの悪魔の言った事が事実であるような気がして

今でも私達を見守っているような気がしたから







ルイスは幼い子供のように泣き続けた

私は抱き締めることしかできなかった…流れる涙を拭うことしかできなかった…








その様子を近くで見守っていたルイスの母と父に気づかずに…