きみ、ふわり。



「ちげぇよ、断ってんじゃねぇって。
 俺は……」

 お前のことが好きだから、今までのようにはいかないだけだ、と。
 どうして肝心要のことを口にしようとすると、いつもいつも躓くのか。

 くそっ。



「もういいです」

 全てを投げ出したように言い放ち、紗恵はそそくさと脱いだ衣類を身に着け始めた。

 為すすべなく呆気にとられてポカンと眺めていると、「見ないでください」と軽く睨みを効かせた視線をこちらに寄越す。


「さっき全部見たし」

 思わず言い返せば、「もう見せません」と一段と厳しい口調で返って来た。


 俺、凹む。
 そしていじける。ふて腐れる。