「瀬那、焼き肉行かね?
 駅前のカルビ亭、今全品半額やってっし。
 腹膨れたらその後ゲーセン行って……」

「やめとくわ。
 彼女と行け」

 悠斗の誘いを途中で遮って断った。



 あれからの俺は正に抜け殻で。
 抜け殻は抜け殻らしく過ごすのが一番だ。

 感情を持ったら駄目だ。

 抜け殻は楽しんだり笑ったりとか人間らしいことはしない。
 ましてや美味いもの食って幸せを感じるなどもってのほか。

 ……とか。
 自ら抜け殻でいることを俺は望んでいる訳だ。
 抜け殻で居たいのは、俺自身。


 全ての感情を殺すことで、悲しみや痛みも消そうとしている。
 ほんと、イタイ野郎だな、俺。