「ああっ!もう焦れったい! 加藤っ!ガンバ〜」 隣の絵里が、見兼ねて声をかける。 それに応えるように笑って手を振ってくれる彼に、勇気を出して手を振り返し、小さな声で 「頑張って」 と呟いた。 きっと、彼の耳には届いてないだろう。 彼は、いつも教室で見せる笑顔をこちらに見せ、仲間のいる方へ走っていった。