「甲子園かぁ」 彼が言うなら、本当に行けそうで、甲子園でバッターボックスに立つ彼を想像してみた。 きっと、どんなすごい球でもライト前に弾き返して、二塁ベースまでたどり着いて、ガッツポーズをするんだろう。 「来年の夏は、行くよ」 力強いその言葉が、夢が夢じゃなくなるような、そんな気さえした。 「加藤が甲子園の舞台に立つんだったら、私、アルプススタンドからファンファーレ吹いて応援するよ」 キミが頑張るのなら、私もスタンドから大きな声援を送りたいから。